中古住宅購入 内覧時の注意点(外10カ所、内11カ所) VOL.066

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中古一戸建て住宅は事前にある程度の知識が必要

中古住宅は新築より安いためコスト面のメリットが大きいです。しかし中古住宅の中には購入は避けた方が良い物件があります。


前回の記事で、内覧前の注意点を紹介しています。

今回は、内覧時にどんなところをチェックすると良いのかを中古一戸建て住宅を購入した一級建築士の視点でご紹介いたします。

内覧時のチェックポイント

ちょっと早めに現地についたら外回りを見てみましょう。

外回りの10のチェックポイント

  1. 隣地境界杭の位置
  2. 建物は越境していないか
  3. 崖・擁壁がないか
  4. 高いコンクリートブロック塀がないか
  5. 敷地内にゴミがないか
  6. 変なにおいがしていないか
  7. 車を止める位置
  8. 建物の基礎にひび割れがないか
  9. 外壁に大きなひび割れがないか
  10. 違法増築していないか

建物内の11のチェックポイント

  1. 床がふわふわしていないか
  2. 床にシミがないか
  3. 床下点検口を開けてみる
  4. 天井にシミがないか
  5. 天井点検口を開けてみる
  6. 部屋扉・窓はスムーズに開け閉めできるか
  7. 床にビー玉を転がしてみる
  8. 柱の傾きチェック
  9. 浴室・便所・台所・給湯器は使えそうか
  10. 建物内にゴミや古いエアコンがないか
  11. 住人がいたら雑談してみる

外回りのチェック10カ所

1.隣地境界杭があるか

境界杭が入っていない場合、確定測量をする必要があります。
確定測量は基本的には売り主側が負担します。
杭の無い物件は購入前に確定測量をしてもらえることの念押しをしておきましょう。
費用を買主で持つことになっている場合は最低でも30万円~(敷地形状・大きさによっては100万円以上になることも)

値引交渉すると、測量やゴミの処分費を買主側で負担してほしいと言ってくる場合があります。(不動産屋さんの入れ知恵)結果的に安くなってないし手間が増えているだけということもあるので要注意。

2.建物が越境していないか

隣地境界がわかっている場合は、境界線上に建物庇、塀、大きな樹木がないか確認しましょう。

建物に関する越境がある場合は要注意!


建築物の越境がある場合は隣地所有者と話はしているのか、解体できるのか、事前に確認が必要です。解体について同意していなかったりすると、建替えをする時にその部分を敷地から除いて建築の申請をしなければなりません。購入際しては慎重に検討が必要な物件です。

外壁が越境している物件は買わない方が良いです

3.崖・擁壁がないか

敷地内や隣地に大きながけや擁壁がある場合は注意が必要です。
隣地が高い場合は隣地から崖崩れの恐れがあります。

崖チェック
  • 30度を超える傾斜背丈を超える高さ
  • その場合に擁壁があるか(下図に該当するものは注意
  • 擁壁にひび割れがないか
  • 擁壁が2段になっていないか
  • 2mを超える擁壁は工作物の確認申請又は開発許可申請がなされているか
出典:国土交通省資料 危険な擁壁チェックシートより

神奈川県逗子市 擁壁が崩壊して死者が出た

出典:国土交通省資料

もし自分の敷地内の崖や擁壁が崩れて歩行者や隣地居住者が死亡した場合、その責任は所有者にあります。民事、刑事両面で訴訟の恐れがあります。前回記事の【8.大きな崖・擁壁は要注意】参照

人命に関係する場合は損害賠償額1憶を超えたりと、かなり大きなものになります。

他人の命に関わるリスクは絶対に避けるべき

4.高いコンクリートブロック塀がないか

地震でブロック塀が倒壊するケースが多く、擁壁と同様に倒壊して歩行者が下敷きになった場合、所有者に管理責任があります。刑事罰を受ける恐れもありますのでしっかりチェックが必要です。危険な塀は撤去する必要があります。

ブロック塀チェック
  • 7段以上の場合は控え壁があるか
  • 12段になっていたら基本的に違法
  • ひび割れや傾きがないか

上記は詳細なチェックではありません。

大阪府高槻市 死者2名 2018.6大阪北部地震

熊本県益城町 死者1名 重症1名 2016.4熊本地震

賠償請求額 6,800万円

5.敷地内にゴミがないか

敷地内にゴミや不要な植栽がある場合売り主側で撤去することを確認しましょう。
ゴミの処分や植栽処分は数十万円単位になることもあるため不要なものは売り主側で対応するように求めましょう。

撤去後に正式な契約をするようにしましょう。

6.変なにおいがしないか

敷地についたら変なにおいがしないか確認しましょう。
近隣にトラブルとなりそうな家からの匂い、建物周りの匂い、浄化槽からの匂いに注意を払いましょう。
匂いのもとが何か事前に売り主に確認しておきましょう。

7.車を止める位置

駐車場が必要な方は、その位置を確認しましょう。
乗用車は1台あたり最低でも幅2.5m×奥行5.0m必要です。(実際かなりギリギリの寸法)
駐車場の出入りのしやすさも確認しておきましょう。
敷地内にない場合は、近隣に有料駐車場の有無を不動産屋さんに確認しておきましょう。

8.建物の基礎にひび割れがないか

このひび割れは2mm以上

建物の周りをグルっと周って基礎にひび割れがないか確認しておきましょう。
大きなひび割れ(0.3mm以上)地震に対しての安全性が担保できません。
建物が傾いてひび割れが生じている場合もあります。ひび割れ自体の補修や基礎強度を向上させる改修工事の方法はあります。
小さなひび割れ(0.3mm未満)は大丈夫な場合が多いです。
クラックスケールはホームセンターで数百円で販売していますので、購入しても良いかもしれません。

古い建物は鉄板などの外壁仕上が基礎を覆っていて確認ができない場合があります。その場合は床下の湿気も多く、購入自体をやめたほうが良いかもしれません。


建物内でもチェックしますが床下換気口なども一緒にチェックしましょう。

9.外壁に大きなひび割れがないか

目視で目立つひび割れが無いか確認しましょう。
あまりに大きなひび割れは建物自体が傾いていたり、雨漏りの原因になる恐れがあります。

10.違法増築していないか

前回の記事で、検査済証を紹介しましたが、検査済証発行後に違法の増築をしている場合があります。確認方法は、確認申請の副本に添付されている図面現場に食い違いがないか確認する事ができます。
しかし中古物件には図面がないことも多く実際に確認ができないこともあります。
不動産屋に建物の形状がわかる資料がないか、違法増築部部分はないかヒアリングしても良いでしょう。

建物内のチェック11カ所

ポイントは柱や梁が雨漏りで腐っていないか白蟻の被害が無いかの確認です。
上記で被害が酷いと改修費用が数百万単位でかかったり、そもそも改修工事を断られることがあります。(建替えた方が良い)
住人がいる場合はチェックする前に事前に了解を取ってからチェックしましょう。

白蟻被害のある物件と恒常的に雨漏りしている物件は避けるべき。腐っていると手の施しようがないこともあります。

1.床がふわふわしていないか

建物内に入ったら軽くジャンプしてみましょう。
ふわふわするようなら、床が腐っている可能性があります。
和室なら畳と下地、脱衣室周りも腐りやすいところです。
バルコニー屋根もチェックが必要です。
土台にダメージがなければ、改修は可能です。土台は点検口を開けてみないとわかりません。

畳の交換は6畳間で10万円程度 下地から交換が必要な場合は20万円~30万円

白蟻被害による場合もあります。最悪の場合はかなり構造体への被害が進行し耐震性が大きく失われているケースもあります。

2.床にシミが無いか

床の上部の天井にもシミがある場合は、高確率で雨漏りです。
木造の場合は特に構造体にダメージがある場合があります。
天井点検口、床下点検口があれば開けて目視をした方が良いでしょう。確認が出来ない場合は購入を控えた方が無難です。

3.床下点検口を開けてみる

床下が真っ暗でジメジメしていないか確認しましょう。
床下の湿度が高いと土台が腐ったり、白蟻被害に合いやすくなります。
基礎に換気口かネコ土台(基礎パッキン)があるかチェックしたいところです。

床下換気口
ねこ土台

換気口については建物外周からもチェックが可能です。床下点検口が無い物件もあります。その時は基本的に土台のチェックはできません。

床下換気口は数が少ないと換気量も落ちます

4.天井にシミがないか

点検口付近で雨漏り

天井のシミは雨漏りの可能性が高いです。
しかし全ての雨漏りが致命傷になるわけではありません
台風の時に吹き上げで雨漏りをしてシミとなっている場合は、基本的には木材は乾燥した状態で維持されているため、構造的にダメージがないこともあります。
またコウモリなどの尿でシミとなっている場合があります。この場合も構造部材に影響がないことが多いので意外と害獣駆除をすれば住むことは可能です。
天井、床に同一箇所に雨漏りのシミがあるときは継続して結構な雨漏りとなっていることがあるので注意が必要です。
売り主側に雨漏りの有無をヒアリングで確認し記録に残しましょう。
稀に雨漏りで屋根の木材が腐っていたりすることもあります。
通常屋根の葺き替えであれば75~150万円。下地の構造部材からやり替えると300万円を超えることもあります。

5.天井点検口を開けてみる

点検口があれば開けて直接確認するのが理想的です。(脚立が必要です)
目で見て、雨漏り箇所があれば箇所を確認できることもあります。
最悪、構造部材が雨漏りによって腐っていることがあるのでその場合は購入はやめましょう。

点検口がない場合は、最上階の押入れの天井が点検口を兼ねていることがあります。

本当は見たいけど、古い建物は点検口が無いことも多いです

6.ドア・窓がスムーズに開くか

家中のドア、窓を開けたり閉めたりしましょう。
開けた後にドアや窓が少ししまったり、窓の鍵が閉めにくかったり、襖が締まりにくかったりしないか確認してください。
建物が傾いている場合があります。襖・引戸の周りに隙間が無いかチェックしてください。ふすまの上だけ又は下だけが大きく開いている場合は傾きがある可能性があります。
建物の傾きだけであればジャッキアップ等で元に戻せる場合があります。ただし工法によっては100万円以上かかることもあります。大きな傾きでなければ費用をかけて改修するのかどうかは、購入者次第です。

国土交通省が作成元の法律で品確法というものがあり、6/1000を超えると健康被害の恐れがあると言われています。一般的な間取りで3メートルの部屋なら1.8センチまでが参考となる基準になります。逆に約2センチ床が傾いても基準値内と考えると結構な範囲まで許容されます。傾きは必ず直さないといけないものではありません。実はそれ故にこの数値以上のある程度の傾きを許容して住宅を利用している方は数多くいます

7.ビー玉を床に転がしてみよう

床に傾きがある場合はビー玉がコロコロと転がっていきます。実は先程の品確法の6/1000という基準で考えると結構な勢いで転がります。

家の傾きがあってもお金をかければ傾きを治すことはできますし、多少傾いていても究極住むことは可能です。傾きの事実を知って直すことができるけど直さずに住む人も数多くいます。しかし購入後に事実を知るよりは購入前に知っておくほうが、購入時の価格や改修の方針を決定しやすいでしょう。

あまりに大きすぎる傾きの場合は建物の耐久性に影響を及ぼすこともあります。

8.柱・サッシの傾きを調べて見る

下げ振りというもので調査しますが一般の方には少し手間かもしれません。
しかしドアの周り、和室のふすま周りの枠に隙間がある場合は傾いている可能性があります。これも6/1000基準で考えるとドアは上か下が1.2センチまで開いていても基準値内と考えると結構許容してしまいますね。全く開かないかどうかは確認しておいた方が良いでしょう。


下げ振りはニ、三千円程度で購入可能ですので、しっかり確認したい方は購入しても良いかもしれません。針で固定するタイプの場合は利用時に柱や壁に傷がつかないように注意が必要です。

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傾きがあっても治すことは意外とできます。かなりお金かかるけど・・・

9.浴室、台所、便所、給湯器が使えそうか

設備は改修するとかなりコストがかかります。
クリーニングだけなら数万円ですが、交換する場合

  • ユニットバス 50~150万円
  • システムキッチン 50~150万円
  • トイレ 10~20万円
  • 給湯機 15~30万円

ざっくりとですが全部変えるとなると結構な負担です。
給湯機以外は目視で確認してみましょう。自分で使えそうな状態かどうかで良いと思います。

リフォーム費用を安く抑えるコツはこちら。

10.建物内に古いエアコンやゴミがないか

使わない家具・使えないエアコンはゴミと一緒です。
古いエアコンは効きが悪いことも多いので、付けた状態で内覧ができるとよいと思います。
あまり聞いていない場合は、売り主側で撤去できないか聞いてみましょう。
不要な家具などもゴミと一緒です。撤去時には全て費用がかかりますので、購入前に撤去の依頼を交渉してみましょう。

11.売り主が居住していたら雑談してみる

売り主は情報源です。近隣環境はどうか少し雑談してみましょう。余計な話をしない売り主さんも見えますが中には色々お話をしてくれる方もいます。自治会、町内会の活動は年何回ぐらいあるのか?町内会長の順番はいつか?など聞いてみてもよいでしょう。

売り主さんがいると点検口を開けることを遠慮してしまいます。しかし可能な限り目で見て、写真を残しておくとよいでしょう。

中古住宅を買うかどうか

沢山チェックポイントをあげましたが、実は必ずしも全てをクリアさせなければいけないわけではありません。

事実を把握して、対処したり納得して購入するのかが大切です。

流石にここまで確認できない方はインスペクションもあり!

コメント

  1. […] […]

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