専修学校 と 専門学校 の違いは?
専修学校とは ザックリ言うと職業を学ぶ学校です。調理、美容師、看護、PCスキルなど実際の職業に繋がる内容を学びます。修業年限は1年以上。学校教育法第124条で定められています。

専修学校 専門課程、高等課程、一般課程 の3つ課程があり、そのいずれか または 複数 ある。
専門学校 専門課程 が置かれている専修学校
高等専修学校 高等課程 が置かれている専修学校
広い意味では全て専修学校ですが、専修学校であっても一般課程のみの場合は専門学校とは呼べず、専修学校となります。
高等専修学校の詳細な位置づけ

高等専修学校(約420校)
高等課程が置かれています。つまり高等学校に相当する学校になります。中学卒業後の進路の1つです。不登校経験に対してのサポートに力を入れている学校もある。
入学条件
中学校卒業程度
卒業時に得られる資格
大学入学資格:大学入学資格付与校(文部科学省指定の修業年限3年以上の高等専修学校卒業生)に限る
高校卒業資格:技能連携校(通信制高校と合わせて入学する学校)に限る
学習
学習指導要領に縛られないので、学校ごとに自由。8分野から職業知識を学ぶ機会が多い。
年限は1年以上ですが、多くは3年生。
資格取得が可能な学校や卒業と同時に受験資格を取得できる学校もある。
・工業 自動車整備士、建築士、電気工事、情報技術者試験
・医療 准看護師
・福祉 介護福祉士、ホームヘルパー、老人ホーム
・衛生調理 調理師、製菓衛生士
・衛生美容 理容師、美容師、ネイル認定
・商業実務 簿記検定、情報処理検定、秘書検定
・服飾家政 洋裁技術認定試験、ファッション販売能力検定
・農業 農業従事者
・文化教養 学芸員、芸能、音楽事務所、ダンススタジオ
学費
平均93万円。(学校や分野によりかなり差があります)
学費補助
①高等学校就学支援金 約12万円 または 約30万円(私立のみ) (所得制限あり年収目安910万円未満世帯のみ)
②高校生等奨学給付金 約3~14万円(所得制限あり年収約270万円未満)
進路
半数が就職しています。進学先は系列の専門学校(2年生が多い)に進学する方もいます。また大学への進学資格付与されている人も多く、その中から大学へ進学する人もいます。
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H30年の調査資料によるデータです。
※「大学等進学者」:大学の学部・通信教育部・別科、短期大学の本科・通信教育部・別科、高等学校・特別支援学校高等部の専攻科へ進学した者を指す。
※「専門学校等進学者」:専修学校(専門課程)、専修学校(一般課程)、各種学校に進学した者を指す。
障害者などの割合
発達障害 9.1%、支援特別措置者 6.2%、身体障害者 2.6%
高等専修学校のメリット
専門的な内容を早くから学べる
なりたい仕事がはっきりしている場合は就職に有利
比較的入学しやすい
高等専修学校のデメリット
先生1人に生徒40人が一般的
なりたい職業が決まっていないとき・・・
途中でやりたいことが変わった・・・
早い段階で職業を決定しても途中で新しいことに興味を持つことがあります。
そのときに、学習内容とずれを生じることがあります。
発達障害に理解が必ずあるわけではなく、学校によって差もあります。中学の特別支援学級からの進路先として候補になりますが、全体の1~2%程度とかなり少ない。
デメリット回避策
技能連携校を活用する。
高校卒業資格を得られるため、その後の進路に柔軟に対応できる可能性があります。
高等専修学校の一例
美容師、調理師
国際共立学園高等専修学校
東京の美容師・製菓衛生師・調理師になれる高校|国際共立学園高等専修学校 (kokusai-kyouritsu.ac.jp)
声優、漫画家、ダンス
東放学園高等専修学校
東放学園高等専修学校|専門分野を学びながら大学入学資格が得られる (tohohs.ed.jp)
自動車整備士
大阪技能専門学校 高等課程
学校紹介 – 大阪技能専門学校 高等課程 (ots.ac.jp)
介護福祉士
大川学園高等学校
福祉科 – 大川学園高等学校 (ohkawaedjp.com)
発達障害、軽度知的障がいの進路になりうるか?

平成29年度の全国アンケート調査では、高等専修学校に在籍生徒のうち、発達障害のある生徒9.1%、支援措置が必要な生徒6.2%、身体障害のある生徒2.6%、何らかの支援を受けている生徒は約18%になります。
令和3年度の全国アンケート調査では、発達障害のある生徒14.4%、支援措置が必要な生徒8.1%、身体障害のある生徒3.0%、何らかの支援を受けている生徒は全体で約25%となっています。

増加傾向にあり、4人に1人がなんらかの支援を受けている形になります。
高等学校は約3%とすると概ね10倍の割合と言えるでしょう。
軽度知的障がいの人も在籍できるのか?
全国アンケート調査では、軽度知的に関してまで調査が行われていないため、全国的な数値は不明となっています。

2005年の資料で、神奈川県に限定した数値のため、分母が少ないのですが、療育手帳を取得している生徒も専修学校には在籍していることがわかります。
専修学校は、学校ごとに自由にカリキュラムを組めることもあり、特色や雰囲気に差があります。
発達障害のある生徒の受け入れを多くしている学校もあるため、こちらに紹介します。
岩谷学園高等専修学校(神奈川県)
生徒数 193名
発達障害のある生徒数 140名
療育・精神障害者手帳取得割合 7割~8割程度
パソコン入力などのビジネススキル系の学科があり、技能連携校でもあります。発達障害のある生徒数が全体の7割程度とかなり高い数字となっているのが特徴です。手帳の取得者もかなり多くなっています。
大岡学園高等専修学校(兵庫県)
生徒数 70名
発達障害のある生徒数 33名
療育・精神障害者手帳取得割合 1割程度
こちらパソコン入力などのビジネススキル系の学科があります。発達障害のある生徒数が全体の5割程度となっています。全国平均よりもかなり高い割合と言えるでしょう。
武蔵野東高等専修学校(東京都)
生徒数 208名
発達障害のある生徒数 136名
療育・精神障害者手帳取得割合 9割程度
こちらは調理、ファッション、情報ビジネスなど6つのコースがあります。発達障害のある生徒数が全体の6割程度となっています。全国平均よりもかなり高い割合と言えるでしょう。手帳の取得割合が極めて高いのが特徴です。
入学予定先の高等専修学校をしっかり調査しましょう
以上のように、学校によっては高等特別支援学校に近い内容のカリキュラムを組んでいる学校もあります。そのため、学校によっては知的障がいのある自閉症などの発達障害のある生徒の受け皿になっていると言えます。
ただし、逆に発達障害のある生徒の割合が低い専修学校もありますので、通学が想定される学校の状況をしっかり確認する必要があります。
高等特別支援学校とは?
特別支援学級からの進路
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