VOL.033 自閉症の子供とゲーム・電子メディア

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テレビゲームは自閉症を悪化させるのか

科学的な根拠が大切

テレビゲームの前は、テレビ視聴でした。テレビを見せると発達障害が悪化するという情報ですね。結論的にはそれらの検証は極端に偏った事例、もしくはその他の要因への検討が不足された検証であることが多く、それらが全て悪影響だと言い切るには少し乱暴な意見かと思います。純粋な方、心が疲れて切っている方にとっては本当にすがる思いでその情報にもたれかかってしまうと思います。

過去に自閉症の原因と言われたもの

2001年以前の説
  • 親の育て方(心因論 1950~1970)
  • 予防接種のワクチン(MMRワクチン説 1998~2010)
  • 水銀(水銀説 2001~2004)

上記は全て現在は基本的に否定されています

親の育て方

今聞くといやいや何を言っているの?どれだけ自閉症に対して無知なのか?と思うよなことが1960~1970代は多数派の意見で世界中に広がっていたようです。そう考えると当時を生きた全ての当事者の心労はどれほどか想像を絶する思いです。現在では多くの研究によりこの考えは否定されています。

カナーという医者の報告の一部が独り歩きした形で広まり、それが基準の解釈となってしまったようです。当時はインターネットもないので正しい情報が伝わりにくいのかもしれません。

この考え方は何故か、なかなか人々から抜けなかったようです。一度信じたら信じたものを捨てることは人間には難しいのかもしれませんね。例えそれが正しくなくても。

現 在 で は、Wing &Gould(1979)による 3 主徴──対人関係の障害、コミュニケーションの障害、限られた興味・関心(高機能自閉症の場合、ごっこ遊びの欠如)──が定着している。自閉性障害の 3 主徴に呼応するかのように、基本症状に関する理論は 3 回変遷している。すなわち、外界との接触障害を示す一群の子供に関する Kanner(1942)の第一報が嚆矢となり、1950~60 年代に対人関係の障害に係る「心因論」が第 1 期の理論として提唱された。しかし、1971 年の「少女ジーニ事件」によって「心因論」の根拠がなくなった。そこで第 2 期の理論として、1960~80 年代に自閉性障害を巡る生物学的アプローチによる「言語・認知障害説」が提唱された。一部に異論はあるが、「言語・認知障害説」によって自閉性障害の基本症状に係る理論は一応の決着をみたように思われた。それでも、高機能自閉症において“ごっこ遊び”がみられないことは「言語・認知障害説」では説明できないことから、第 3 期の理論として「心の理論障害説」と関連仮説が提唱された。なお、自閉性障害の神経生物学的な原因に係る観点から、2000 年代以降に「極端な男子の脳仮説」や「ミラーニューロン仮説」が提唱されている(田巻ら,2017)。今後も、自閉性障害を特徴づける基本症状を解釈するための理論は変遷することが考えられる。

引用:田巻義孝ら 自閉性障害の基本症状に関する理論 2018

予防接種のワクチン

海外で1998年に予防接種のワクチンであるMMRワクチンが、自閉症の発症に関与しているとアンドリュー・ウェイクフィールドというイギリスの医師が論文を発表したようです。しかし結局それらに因果関係を示す科学的な根拠はなかったとのことです。2004年頃に一部論文撤回がされ、2010年に正式に論文は撤回されアンドリュー医師も不誠実な行為があったということで医師免許をはく奪されています。驚きなのが、それでもマスコミが大きく報道して取り扱ったため世界の各地でワクチン接種率が下がってしまったようです。未だにこの撤回された論文を信じている人が数多くいるようです。人の不安や恐怖は伝搬し、そういった情報にどうしてもすがってしまうのでしょう。

水銀が原因

海外で2001年にこれもワクチンなどと同じく科学的な根拠は乏しい状態でしたが、水銀が自閉症に関与していると発表しました。ワクチンに使用される防腐剤に水銀が含まれていて、自閉症の増加と因果関係があるという内容です。しかし直ぐに他の研究者ら因果関係が不明であると否定的な意見が出ています。ワクチンと同じ流れで、こちらは水銀濃度を測定する会社が濃度測定のPRとして情報を流し、それがインターネットで広まったことにより、世界中に広まってしまったようです。2004年に日本のテレビ番組でもキレート剤で水銀を排出すれば自閉症が治ると放送していたようです。結果日本の学会がそれらを否定して鎮静化したようです。WEB上を検索するとかなり詳しく調べている方も見えるの参考になると思います。興味深いのはやはりそれでもやっぱり水銀が原因だと強く主張している記事も少数派になっていますが残っています。こういった流れがあってもやはりワクチンと同じで、一度信じたものをどうしても否定できない方は多いようです。

自閉症における水銀・チメロサールの関与に関する声明

2004年3月にある報道番組で自閉症の水銀キ レー ト療法のレポートが放映され,患者・家族に動揺を与えています.そこで自閉症の発症や増悪に対して水銀・チメロサ ールが影響を与えるのか,お よび 自閉症に対する水銀キレート療法の有効性について学術的知見を収集・整理しました.その結果,三学会合同の見解として,現時点における判断を以下に提示いたします.

(1) 自閉症の原因が水銀中毒であるということを積極的に肯定する根拠は乏しい.

(2) 自閉症とチロメサール含有ワクチンとの問に明確な関連性は見出されていない.

(3) 自閉症対する水銀キレート療法の有効性を支持できる根拠は乏しい.

ただし,環境汚染物質や環境ホルモンと発達障害との関連性については,現状では客観的なデータが不十分であり,今後,正しい方法論による研究を蓄積していくことが重要である.

平成16年6月1日

日本小児神経学会 日本小児精神神経学会 日本小児心身医学会

引用:自閉症における水銀・チメロサールの関与に関する声明 2004

最近の日本でも

日本でも2012年にある大阪市で、家庭教育支援条例:乳幼児の愛情不足が発達障害等の症状を誘発する大きな要因で、日本の伝統的な子育てで発達障害は予防や防止ができる。という趣旨の条例案が出たそうです。結局条例案は撤回されたそうですが‥‥唖然としてしまう情報ですが、事実です。当時大阪に住んでいたら流石に『維新の会』を支持することはないと思います。

新しいものは特に慎重に検証が必要です。

テレビは自閉症の症状などを悪化させるのか

小規模な研究事例

ここまで書いていると少し想像できてしまうかもしれませんが、科学的な根拠を明確に示されているということはないようです。2002年に日本で長時間テレビを見ている幼児3例で、言葉が育ちにくい、コミュニケーションに障害をきたす、それらがASDと類似する症状と報告があるようです。ここでは前提条件に偏りがありすぎます。そもそも3例しかない情報。長時間見ている子供の情報。比較対象がなければ有効な情報とは言いにくいものでしょう。

当たり前ですが、長時間テレビだけ見ていていい影響があるとは考えにくいものです。でも心が疲れて何かにすがりたい状況だと、テレビは悪だ、見せるな、とこの情報にもたれかかってしまいたいですよね。

実際に有効な検証とするには比較対象が必要でテレビをずっと見せるだけの検証は現実的に行えないため少ない事例で検証し推論するため、十分な裏付けをとれないようです。とはいうものの少数のものだから完全に無視をするわけではなく参考にすることが可能な場合はあるでしょう。

大規模な調査時例

1,000名程度のアンケート調査で視聴時間に応じて言葉の遅れ頻度が高いという結果が出ているようです。しかしこれも、それがテレビだけの影響なのか、それ以外の環境要因が影響しているかは不明で、4時間以上一日にテレビを見せていたら…会話は当然少なくなりますよね。そのような家庭では他の原因があるのではないか、という指摘もあったそうです。悪い部分だけの情報をピックアップして正しい情報と断定したものが本当に子供のためなのかということは慎重に判断をした方が良い部分でしょう。

メリットに目を向けても良い

適度な時間で管理をすれば、むしろ有効な部分は実際にあります。面白いアニメを見て言葉を覚えることも当然あります。それが元で友達ができることもあります。共通の話題があれば友達も幾分作りやすいものです。メリットになる捉え方取り組み方が必要なことではないでしょうか。極端にテレビもゲームも一切ダメという考え方ではなく、管理の中でテレビもゲームもインターネットも有効な部分を見つけてもよいと思います。


テレビゲームについて

比較対象が少なく悪い部分だけを抽出すれば何とでもいえます。テレビと同じことが言えると考えています。ヒステリックになって一切ゲームをさせない選択をした家庭の成績優秀な子が、成人した後にネットカフェで見かけたらゲーム廃人のようになっているのを見かけたことがありました。これも逆説の偏った情報かもしれませんが、片方だけの情報ではなく多面的にとらえて判断をすることを心がけたいところです。子供が大きくなり自己決定をし始めて行く時にゲームを勝手に無制限でやるのを防ぐ意味でも好きなものでも自分自身でコントロールできることが重要ではないでしょうか。

断定的に決定するより、考えに幅を持たせておきたい

独り言・・・生まれた時点で既に脳に機能障害があると何となく根拠もないけどそう感じています。後天的なものという実感はありません。

コメント

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