どこをリフォームするか
私はこんな人
・一級建築士
・築20年の中古住宅を購入
・購入額は2,300万円
裏ワザってわけではないんですが、これを組み合わせて300万円以上のコストダウンも可能です。
工事費用を安くするテクニックを紹介いたします。
丸っとリフォームすれば1,000万以上かかることもあります。
それなら新築を買った方が良かったかもしれません。
最低限ココだけは直すところ決めます。
それだけで100万円以上簡単に安くなります。
※インフレで様々な値段が上昇中。価格が去年の倍ということも・・・
※リノベーションとの違い。日本では建物の改修をリフォームと言いますが、英語で建物の改修はリノベーションと言い、リフォームは使っていません。日本では使われていない言葉でしたが大規模な改修や付加価値をつけて改修する事をリノベーションというようになりました。
商売的に新しい用語の方が客受けがしますしね。リノベとリフォームのハッキリした境界もありません。たくさん改修してカッコ良くなったらリノベってことにしとくか、という感じです。
なんとなくリフォーム会社にお願いすると高額な見積りが出てくることが多いです。
見積もりは必ず複数の会社に依頼してください。
使うところだけリフォーム!
5LDKのお家でも1LDKだけなおします。
残りは使う時が来たらリフォーム。
部分発注もあり!
壁紙は内装屋さん、エアコンは設備屋さんに依頼でコストダウン
初心者はくらしのマーケットがおすすめ!
主なリフォーム内容は
- 増築したい
- 間取りを変えたい
- 台所
- お風呂・洗面所
- 便所
- 設備(給湯器・エアコン・照明器具)
- 和室から洋室へ
- 床・壁・天井のお色直し
- 外壁
- 屋根
- 外構
1.増築したい
中古住宅を購入した理由は何ですか?
その多くは節約のためではないでしょうか。
小さな増築はコスパが非常に悪い。
(工程は新築と同じため人件費が割高)
できるだけやめときましょう。
2.大きく間取りを変える
壁の位置を変える
壊してはいけない壁もあります。
耐力壁という地震対策で必要な壁です。
ただし図面で耐力壁の位置が確認出来て、再計算して基準クリアできれば撤去も可能です。
しかし、間取りを変えると大工、クロス屋、電気工など職種が増えて割高です。
節約をしたい方は最小限にしましょう。
ドア・窓を変える
工事費用の中で大きいのが、ドア・窓の改修工事です。
小さなものでも10万円以上かかったりします。
- 全てのドア・窓を入れ替えると200万円程度は必要
できるだけ我慢・・・
それでも窓を新しくしたい場合は?
内窓
内窓は今あるサッシの内側に新しくサッシを作ります。取付スペースが必要です。外観は変わりませんが、内観は新しくなり断熱性能も上がります。テラスサイズ(W1.8×H1.8)で商品代が5万円程度~。別途工事費が必要ですが、交換よりもかなり安い。
商品名は LEXILはインプラス、YKKはプラマード
カバー工法
カバー工法は今あるサッシに被せて新しくします。新しいサッシは少し小さくなります。外観も内観も変わります。テラスサイズの窓だと30万円~。内窓より割高です。
それでも玄関ドアを新しくしたい場合は?
シート貼り
既存が金属系ドアならシート貼りはコスパが良いです。下地状況によりますが5~10万円前後。ただし日射環境によっては5年経過で色褪せが気になります。(屋内ドアは2万円~)
カバー工法
窓と同じように今あるサッシに被せて新しくします。30万円~50万円。やはり高いです。(屋内ドアなら交換)
塗り替え
木製や鉄製は塗り替えが可能です。5万円~20万円。ただし、外部ドアの多くはアルミ製です。アルミ製も塗り替えは可能ですが、耐久性の実績が乏しいのが現状です。
我が家はドアと窓はクリーニングだけ。間取りもそのまま
間取りを変えると大工仕事になることが多く人件費がUP。
3.台所
キッチンを交換するとピンキリですが、ざっくり50万円~150万円かかります。
高級なものだとそれ以上。
形状
安い順に I(アイ)型 → L型 → アイランド型があります。
なぜ高くなってしまうの?
- キッチンの場所を移動した
- I型 → L型 にタイプを変更
- 大工さんお手製の吊り棚やキッチンにした
- メーカーを指定した
基本的にはキッチンの場所を移動すると配管・配線工事が必要で工事費が上がります。
大工さんに作ってもらう家具は造作大工と言って職人さんが作ってくれますが、高くなります。
安くする方法は?
キッチンは高額になりがちですが方法はあります。
同じ場所に設置する
移動しなければ、既存の配管を使えます。床の撤去や新設がないので工事費が抑えらえれます。
同じタイプで設置する
I型ならI型のままにしましょう。タイプを変更すると床の改修工事も発生し値上がりポイントです。
キッチンを新調する場合、リフォーム会社によって安く出来るメーカーが変わります。メーカーにはこだわらない方が良いでしょう。
古いキッチンをリフォーム
今あるキッチンの水栓交換+扉表面パネルだけを張り替えてクリーニングする。既存の劣化がひどくなければ一番金額を抑えることができます。表面の扉パネルが重要です。ちょっとおしゃれなものに変えれば随分印象が変わります。
イケア・ニトリも検討してみる
イケアやニトリでキッチンを購入して提携業者に設置してもらうことも検討に入れてみましょう。
画像はIKEAのキッチン(メトード)です。好きなパーツを組み合わせて作れます。
キッチンの値段は概算で60~100万以下で対応ができます。イケアもニトリも同じような価格帯にいます。イケアの排水管は少し弱い感じですね。
別途でトイレ工事などがあり設備業者が入る場合は配管位置を設備業者にさせてイケアはキッチン取付工事のみ。キッチン取付後に設備業者が配管接続するような流れになるでしょう。
キッチンのDIYは個人的にあまりお勧めしません。かなり重い(合計300キロ以上はある)ので一人では取付が出来ません。パーツ単位でも数十キロ。取付している最中にキッチンをぶつけて傷だらけになることもあります。
我が家は壁面タイプのまま新品のキッチン(食洗器付き、換気扇含む)+吊戸棚に交換して60万円程度。自動洗浄換気扇はあった方が良いけど節約して省略・・・
職種を増やさないために家具工事になりそうなものは諦めました。
おまけ:あんまり料理しないなら
料理をほとんどしないんですという方なら割り切ってミニキッチンでもいいかもしれません。
画像のものはイケアの商品で2万円~5万円で購入できます。
これに後付けで、IHクッキングヒーターと換気扇と取付工事で+15万円程度を見て合計20万円以下です。換気扇、給湯器、配管接続は設備屋さんにしてもらって、組立は一人でも出来ます。
このタイプは食器にほこりがかかるからイヤ・・・
4.お風呂・洗面所
まずはお風呂から
水回りは出来るだけ手を入れます。
しかし、ユニットバスも高い。
ユニットバスの交換は 50~150万円
なぜ高くなってしまうの?
- お風呂の場所を移動した
- ジェットバスなどオプションをてんこ盛り
- メーカーを指定した
安くする方法
安くするポイントは
オプションをつけすぎない
ミストやジェットバスなど使用しなさそうなのはつけない。
メーカー指定はしない
業者によって安くできるメーカーが違うので相手に任せましょう。一番安いのと二番目に安いのを提案してもらって決めると良いです。海外メーカーはメンテナンスも考えて避けた方が無難です。
お風呂の位置は移動しない
お風呂の位置も今ある場所にしましょう。位置を移動するのは工事費を一気に押し上げます。
既存のお風呂をクリーニング、塗装やフィルム張りは?
既存の設備を使ってもいいと思えれば、クリーニングをするだけにしましょう。
費用が大幅に抑えられます。
浴槽も塗装やフィルム張りはおすすめしません。耐久性が低いので直ぐにダメになります。ユニットバスの交換をした方が良いでしょう。(浴室塗装の相場 20~25万円)
我が家もユニットバスの交換をしましたが50万円以下。浴室乾燥機などは無し。
シャワーユニットも検討する
湯船につからないならシャワーユニット(30万円前後)もアリ。メンテナンス考慮して国産品を。
ユニットバスを交換すると構造材が見えます。シロアリがいないかチェックしてもらいましょう。
シロアリ退治とランニングコスト
次に洗面台
イケアの洗面台もアリ
- イケアで洗面台を購入して、DIYか設備業者に取付を依頼する
イケアの洗面台はそれなりのオシャレ感。値段も2~5万円以内で購入可能。※商品によって扉強度がイマイチなので注意は必要です。
ちなみに画像のものは約30,000円(鏡・照明・取付工事費除く)
5.便所
便器自体の交換は以外と安い。
スタンダードなものであれば6~9万円(工事費込み)で交換が可能です。
我が家も便座のヒーター、ウォシュレット、抗菌タイプで上記の価格です。
便器(便座は別売り)
便座
ハイグレード(タンクレスタイプや自動洗浄付き)を外せば結構安い。
排水が壁か床かは事前に要チェックです。
(和便からの改修は20~35万円と高額)
我が家は タンク一体型トイレに5万円で改修。トイレは2個あったけど1個は交換せずにそのまま。
ペーパーホルダー(3,000円~7,000円程度)
タオル掛け(1,500円~2,500円程度)
アイアン系は重量があるので取付はしっかりと。
照明(1,500円~)
レールとライトを別々で
シーリングとライトセット
口系(E17,26など)をチェックして電球も忘れずに。
トイレを安くお洒落に
6.設備(給湯器・エアコン・照明器具)
設備は以外とお金がかかります。
給湯器
給湯器も能力によってかなり金額が変わります。
16号 1人 6万円~12万円
20号 2~3人 15万円~20万円
24号 4人 20万円~30万円
が概ねで目処となる能力と料金です。
我が家は3人家族で20号。特に問題なく使えています。
自動で追い炊きができるのがフルオートタイプ
自動で追い炊きができないオートタイプ
若干オートタイプが安くなります。保温は自動でしてくれます。
号数を少し下目、オートタイプにすれば少し節約ができます。
エアコン
高性能なものや、各部屋にエアコンを付けると高額になります。6畳で工事費まで含めると安くても6万円程度はかかります。
高性能なものであれば20万円近くすることもあります。
元々エアコンの無い部屋だったり、必要なコンセントが来ていないとコンセントの増設工事が必要となり更に10万円近くかかることもあります。
設備業者が入らないリフォームの場合は、取付けを別途ネットで依頼をするのが良いです。
他の工事で設備業者が入ってくる場合にエアコンの取付も依頼すると人件費を抑えられることが多いです。
取付をくらしのマーケットなどで依頼する場合は、口コミ件数が多く、評価が高い業者を選びましょう。
くらしのマーケット
照明器具
照明器具を変えると部屋の雰囲気がガラッと変わります。しかし部屋中そろえると工事費も上がります。
照明器具の取付方はこちらのサイトがわかりやすい。
((株)ホタルクス様のサイト)
照明器具もピンキリです。
お洒落で良いものだとシーリングライトでも一か所2万円以上。
安いものなら3,000円前後で購入可能。
程度の悪いものだと異常な発熱をする危険性もあります。
口コミは悪い情報の数や内容を見て購入を検討しましょう。
照明器具の位置を変えたり、ダウンライトの追加は天井工事が必要となり工事費が上がります。できるだけ今ある位置で中程度のものを探しましょう。
ただそれではつまらない、という方はピンポイントでお洒落なものを採用すると良いでしょう。
玄関灯(1万円台)
玄関灯(1万円以下)
リビングなどに(1万円以上)
リビングなどに(1万円以下)
電球別売りが多いので口径に注意して別途購入。
低価格帯は初期不良は多い傾向。
人の目に触れることが多い場所順に考えて
- リビング
- キッチン
- 玄関の外・内
- リビングまでの廊下
- トイレ
を予算の範囲で照明にこだわるのも良いと思います。
7.和室から洋室へ
和室から洋室へ丸っとリフォームをすると30~60万円程度かかります。
部屋の仕上のグレードにもよりますが100万円近くかかることも。
和室の雰囲気を残しつつ上手にリフォームしましょう。
高くなる要因は、
・高いフローリングを使う。
・押入れ、床の間をなくして、クローゼットに変更。
フローリングは種類によって6~8畳程度でも10万円程度の差があります。高級なものは外しましょう。
和室の雰囲気を活かして、壁紙・襖の張替えをしたり木部を塗装しても良いでしょう。壁紙の張替は6畳程度で約10万円です。
床を一般的なフローリングにして、壁・天井をクロスにするだけなら30万円以内で施工も可能でしょう。
店舗でも使われるフロアタイルという樹脂製の床材もコスパは良いです。(10年で伸縮により隙間ができます)
画像は全てサンゲツ 順番に ローツェオーク WD891、アンティークウッド WD967、杉 WD940
そのまま和室として利用するのもアリ。
おしゃれな襖を選べばお値打ちに見栄えを良くすることができます。
画像はルノンの【絣】
8.床・壁・天井のお色直し
壁・天井
元がクロスならクロスの張替え、元が塗装された部分や木目板なら塗り替えが選択肢となります。
工事費
6畳洋室の場合:壁・天井のクロス張替は10万程度です。
塗装にしても若干安くなる程度で金額は大きく変わりません。
材料のグレードによっても金額は少し変わりますが、面積によって金額が変わります。
壁や天井の板を張替を行うと高くなります。
壁の一面をワンポイントで色を変えると効果的にリフォームが出来ます。
漆喰風のクロスは塗り方が激しいものを選んだ方が目を引きます。
迷ったらカタログの組み合わせをそのまま使うのもアリです。
洋服のマネキン買いと同じですね。
床
リフォームの種類として
洋室
- 既存フローリングにワックス 1~2万円
- フローリングの上にフロアタイル張り 5~7万円
- フローリングの上にフローリングを増張り 5~12万円
- フローリングを張替え 10~20万円
和室
- 畳表替え 4~10万円
- 畳を新しくする 8~20万円
- 洋室仕様に変える 7~20万円
※金額は6畳程度を想定
他にもクッションフロアも選択肢としてありえますが、耐久性の面で除外。
ワックス、畳表替えは、元の状態が悪いとできません。
畳やフローリングは材料によってかなり値段が変わります。
床のフロアタイルは良いけど10年経つと隙間が・・・
フロアタイルは耐久性もあり、値段もお値打ちです。
デメリットとして10年程度の時間がたつと、タイルの間に隙間ができます。タイル自体や下地の木部が熱膨張、収縮することによって起こります。タイル色によっては結構目立ちます。
9.外壁
画像は旭トステムのDANサイディング ガルバリウム鋼板(木目調含む)
リフォームの種類として
- 塗り替え 60~90万円
- カバー工法 150万円~
- 張替え 200万円~
※金額は建物の面積120㎡程度の場合
塗り替えはウレタン塗装で想定
一番安いのが塗り替えです。耐久性も考慮しアクリル塗装以外を選択します。材料によって金額も耐久性も様々です。光触媒は一時期流行りましたが最近は下火傾向。シリコン系、フッ素系など下地に合わせて塗装業者に決めてもらえば良いでしょう。耐用年数は10年以上のものを選びましょう。耐用年数が15年程度のものも増えています。15年以上の高耐久塗材を使う場合は高耐久性シーリングを利用します。
ガルバリウム鋼板で張替やカバー工法で施工しても良いでしょう。
カバー工法:今ある外壁の上から新しい外壁で覆います。
ガルバリウム鋼板の見積りは板金屋さんか板金工がいる業者に頼みたい。けど一般の方は探すのが大変です。ネックは割高感が大きい。
足場を組むので軒裏や屋根をリフォームも一緒にすることも多い。
10.屋根
リフォームの種類として
- 塗り替え(瓦除く) 30万円程度
- カバー工法 90万円程度
- 葺き替え 100万円以上
- 瓦は葺き直し 50万円以上
葺き替えや葺き直しは下地の状態によってかなり高額になることもあります。
掲載はしていませんがバルコニーの防水改修も大切な個所です。
大切なのは、防水層です。
カバー工法で防水シートを施工しない工法もあるので注意してください。
でも実は雨漏りするまで直さない人が多いです。
11.外構
外構はコストダウンの重要なポイント。
外構専門業者でデザインを売りにしている業者は特に割高です。
コンクリート舗装をすると 車1台あたり15万円程度必要です。
植栽をこだわったり門扉や塀を新たにやると外構だけで100万円を超えることもあります。
外構は予算が余った時や、駐車場をどうしても作る必要があるときは別にして優先度は下げてしまっても良いかもしれません。
できるだけ今ある状態に塗装したり、コンクリート部分を高圧洗浄で価格を押さえたいところ。
外構を作り直す場合もオープン外構として門扉などは省略し、植栽も管理面からもあまり植えすぎないようにすればコストダウンとなります。
大して安くならないこともあるけど車が乗る部分だけを舗装してそれ以外は砕石が良いかも。
どこに頼めば良いのか?
専門業者に頼むと安くなります。
クロスの張替だけなら
クロス屋さん、内装大工さん
内装大工さんは建具、間仕切り壁など結構何でもやってくれます。
外壁塗り替えるなら
塗装屋さん
窓・ドアを替えるなら
建具屋さん(㈲○○ガラス、㈱○○建具)
エアコン取付は
エアコン専門業者さん。個人でやってる方が結構います。
外構工事は
外構屋さん。でもデザイン系は無駄に高い。個人の造園業者の方がたぶんやすい。
予算もある程度決めておこう!
業者に依頼すると、『予算はいくらぐらい?』と聞かれます。
上記を参考に、業者に提示用のある程度低めの予算を決めておくことが大切です。
本当のギリギリ出せる金額を提案すると、その金額を若干超えたぐらいの見積りが出されることが多いです。
施工業者に丸投げは楽だけど高額になりがちです。
この記事で挙げたことを意識すれば100万円以上の節約も簡単です。
住友不動産が新築そっくりさんというプランを出していますが、坪単価40万円以上で結果2,000万円上することもよくあるようです。それならいっそ建替えても良いかもしれませんね。
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