適切な時期にメンテナンスすることが大切
部位 | 点検 | 時期 |
---|---|---|
外壁 | ||
外壁材 | 10年 | |
目地 | 5~10年 | |
木部 | 5年 | |
屋根 | ||
瓦 | 10年 | |
スレート | 20年 | |
金属 | 10年(塗装)20年(葺替) | |
雨樋 | 20年(交換) | |
防水 | 10年(取替) |
多くのサイトで理想的なタイミングを紹介しています。
もちろん維持管理は大切で安心なタイミングだと思いますが、この通りに改修したらかなりランニングコストがかかります。
ケチケチ建築士の改修時期や方法を紹介させていただきます。
5年目
- 雨漏りのチェック
- 白蟻対策(簡易版)
- 設備が故障し始める
雨漏りのチェック
雨漏りのほとんどは入居1年目に気付くので改めしなくても良いかもしれません。しかし万が一雨漏りしていると後々高額の改修費用がかかることがありますのでこのタイミング点検しましょう。
各室の天井にシミがないか
サッシ周りにシミがないか
シミがあるからと言って直ちに雨漏りというわけではありません。
コウモリなどの糞尿や、窓の結露が起きてできるシミの場合もあります。
白蟻対策
新築の場合は、白蟻の保証期間が5年あるため特別に対策をしなくても基本的に問題はありません。薬剤の実質効果も7年程度はあります。
点検方法
- 水回りに白蟻がいないか
- 露出した木部をハンマーで軽くたたく
- 床下点検口を開けて探す
浴室、洗面台、台所まわりに白蟻がいないか確認しましょう。
露出した木枠や柱があればゴム付きのハンマー(100均で売ってます)で軽く叩いて反響音が鈍いところがあると白蟻か木部に腐食がある可能性があります。
床下点検口があれば、ライトをもって除いてみましょう。蟻道がないか、白蟻がないか見て見ましょう。
白蟻を予防を自分でする方法 を【10年目】で紹介しています。
予防対策
5年時点ではあまり発生しにくいかもしれませんが、予防は必要です。
専門業者
専門業者に依頼すると20~30万円します。5年補償で1年あたり4~6万円です。
実際に5年単位で業者に依頼している方はほとんどいません。
自分で簡易予防
被害が無い前提でおすすめの予防は、【バルサン】や【アース】です。ゴキブリの駆除剤ですが、実はシロアリはゴキブリの仲間になるため効果があります。梅雨前の時期に床下点検口を開けて、設置して煙を炊くとある程度効果があります。しかし床下は【床下換気口】か【ねこ土台】で換気されていてそのままで効果が薄いため、養生テープで塞ぐ必要があります。【ねこ土台】の場合は水切りの裏側を塞ぐため建物周りを1周するので結構大変ですが、これをしないと炊いた煙があっという間に逃げて効果がありません。効果の持続性は疑問があるので我が家は毎年をこれを行います。経費は1年あたり1,000円程度です。
発煙中は半日程度お出かけして、帰宅後に養生テープを撤去してから家に入ります。そしてすぐに換気。少しでも隙間があれば室内に若干ですが煙成分が入ってきます。
床下の防虫剤としても効果ありです
設備が壊れ始める
早いと10年目までの間に壊れ始めます。
できるだけ交換せずに延命します。
- ガスコンロ
- 給湯器
- 食洗器
- 水回りの給排水関係
ガスコンロ
着火の不具合が起き始めます。
センサー部分に焦げ付きがあるので、焦げを落とせばある程度復活します。それでも少しずづ着火しにくくなります。機種にもよりますが頑張って最低10年は延命できると思います。
それで駄目なら買い替えるしかないでしょう。
給湯器
5年目ではよっぽど壊れることはないのですが、運が悪いと10年もたないこともあります。お湯があったまらないなどの症状がある場合は、お風呂の循環フィルターやストレーナーの清掃は可能です。
食洗器
同様に早いと故障し始めます。電気系統の問題だと自分で修理が難しいのですが、機種によりますが排水管からの水漏れも多いようです。我が家もパナソニックの食洗器で6年目に水漏れがありました。買い替えると10万円はします。原因は目視で確認できたので、ホームセンターでシリコン製の筒を購入して代用しました。材料費だけですので700円のみで対応できました。現在10年目ですが問題なく稼働中です。取説で機種品番を調べて検索するとYouTubeで修理方法が公開されていることも多いのでチャレンジしてみると良いと思います。
水回りの給排水
結構壊れます。
- 5年目に台所の水栓の根本から漏水
- 6年目に浴室の給水ボタンが固まる
- 7年目に洗面所の水栓の根本から漏水
- 8年目にシャワーヘッドの取付部分が割れる
- 9年目に洗面所の水栓のヘッドから漏水
- 10年目に排水管が詰まって汚水が・・・
ほぼ毎年どこかが壊れます。
排水管が詰まって汚水が敷地内に溢れると地獄絵図です。直すの業者を呼んで5万くらいかかってしまった。
台所、風呂など月1でしっかりとパイプユニッシュをしましょ~
その都度業者を呼ぶと人工賃もかかるので、毎回2~3万円請求されます。
排水管以外の上記の部分は素人でもモンキーレンチと交換用の材料があれば自分で交換が可能です。
取説から品番を確認してウェブ上で部品品番を探せます。交換方法をアドバイスしているyoutubeも参考になります。レンチは2つ同時に使うこともあるので予備で安いのを持っておくと安心です。
モンキーレンチ サイズ50mm(2,500円程度)
予備モンキーレンチ (調整範囲6~68mm) (1,000円程度)
安いけど強度はあまりないようです。
10年目
- 雨漏りのチェック
- 外壁・基礎のチェック
- 白蟻対策
雨漏りのチェック
5年目と同じ作業をしましょう。
外壁・基礎のチェック
- 外壁を手で触って白い粉が付かないか
- つなぎ目シーリングが切れていないか
- 軒裏が剥がれていないか
- 基礎にひび割れが無いか
外壁業者のサイトは早めのタイミングで改修の必要性が書かれています。
商売的にも早い方がいいですよね。
ただ、実際も早い方が建物へのダメージは少ないのですが、そのままリフォームすると30年単位で考えると結構な金額が必要となってしまいます。
コスト面ではできるだけ引き伸ばしたいところです。
外壁を手で触ると白い粉が付かないか
チョーキングと言って、塗料が劣化すると粉状になり手に付着します。その場合は塗装をする時期が近づいています。
した方が良いけど、そのサイクルを少しでも長くすると住宅のランニングコストがかなり削減されます。仮に外壁塗装を1回100万円とすると
10年に1回なら、30年で300万円。
15年に1回なら、30年で200万円。
かなり金額が変わります。あまりに放置しすぎると金属系の場合は錆が発生したり、窯業系サイディングであればひび割れが起きることもあります。
ガルバリウム鋼板なら目視で錆がなければ立地にもよりますが20年程度は支障ありません。30年以上錆が発生しないこともあります。錆が発生しても進行が非常に遅いです。
窯業系サイディングは10年たてば結構チョーキングが進み、外壁の痛みが進みます。
補償も何もできませんが若干無茶をして12~15年外壁とにらめっこしながら立地にもよりますが延命することは不可能ではないと思います。ウレタン程度の塗り替えより初期投資が必要ですが、光触媒塗装+高耐久性シーリングとするか、ガルバリウム鋼板のカバー工法で施工することでランニングコストの軽減が図れます。
シーリングのチェック
外壁と同じように、シーリングと言って、外壁材のつなぎ目やサッシ周りのゴムが切れていないか確認しましょう。早いと5~10年ぐらいで切れ始めます。外壁の裏に防水シートがあるため、切れたからと言って直ぐに雨が部屋内に進入するわけではありませんが、下地が木製の場合は下地が腐り始めたり白蟻の被害に合いやすくなります。
実際は多少劣化していても、改修のタイミングは基本的に外壁と同じタイミングで行います。違うタイミングで行うと足場を掛ける費用が無駄になります。
軒裏が剥がれていないか
10年目で剥がれる可能性は低いのですが、剥がれがあると害虫・コウモリの進入を許します。早いタイミングで補修が必要です。足場が基本的に必要なため工事費が上がりやすい部分です。
剥がれたものを現状復旧するだけなら作業的に難しいものではないので、便利屋さんに相談しても良いかもしれません。
特殊な職人技術がいらないものであれば、便利屋さんに依頼するのも1つの方法です。
切った植栽の処分だけを依頼するとか、自分でやるのはちょっと怖いと思う軒裏でも頑張ってやってくれたりします。足場を省略して梯子でも時には対応してくれるのでかなり値段が抑えられたりします。
外壁塗装の時期に合わせて行うと足場代が節約できます。
地元で口コミの良い便利屋さんを探すのがいいかもしれません。
台風により軒裏が剥がれたり、瓦が飛んでしまった場合は、火災保険の利用も検討してください。
台風による被害であれば火災保険が適用できる場合があります。加入している保険内容を確認して適用が出来る場合は、改修する前に補修を依頼する業者に火災保険の適用が可能か相談してみましょう。過去に申請経験のある業者だと手続きがスムーズです。
基礎にひび割れがないか
- 0.3mm以上のひび割れがないかクラックスケールでチェック
- 赤茶色の雨シミがないかチェック
ひび割れが0.3mm以上ある場合は注意が必要です。構造に影響のあるひび割れです。
さらにひび割れ部から雨水が進入し鉄筋を腐食させます。その腐食した赤水が外に流れると赤茶色の雨シミとして出てきます。
傾きによりひび割れがある場合は、傾きをジャッキアップで直すことも可能ですが費用は100万円~300万円と高額です。
最低限鉄筋は保護する必要があるため防水塗料を塗るなどをした方が良いでしょう。
剥離がなく、ひび割れ幅が大きくないならエポキシ樹脂を注入して、その上に防水塗料を塗る補修方法があります。
白蟻対策
まずは白蟻がいないか5年目と同じようにチェック。
いない場合は予防対策です。
予防対策
10年目の白蟻対策は、バルサンによる簡易予防的なものではなく本格的に対策を行った方が良いでしょう。(といっても実際は15年ぐらい引っ張ってしまうかもしれません)
業者に依頼
新たに、専門業者に依頼すると20~30万円します。10年スパンで1年あたり2~3万円です。
自分でやる
かなり大変だけど、不可能ではありません。
畑に防虫剤をポンプで撒いたことがある方なら同じことです。
ちょっと違うのは床下で撒くのと防毒マスクとゴーグルは必須ということです。
私が参考にした記事です。上のサイトでは床下潜入セットも売っています。噴霧器、薬剤は別途購入必要です。
自分でやるなら1回道具をそろえると3~4万円程度作業が出来ます。
かなりお金が浮きます。かならず冬場に作業しましょう。夏だと死にます。
冬場にやっても汗だくで、肩を痛めました・・・
白蟻がいた場合は業者に駆除を依頼した方が良いでしょう。駆除しきれなかった場合に被害が拡大します。
15年目
- 外壁・屋根・バルコニーは改修
- 台所・トイレ・洗面所・浴室は本体交換
- 壁紙は張替
- 畳・襖は表替え
一気にやったらとんでもない金額です。10年~20年の間に様子を見ながらリフォームしましょう。
外壁のリフォームテクニック
外壁や屋根がガルバリウム鋼板の場合、それ自体はかなり耐久性があり30年以上錆びていない物件もあります。注意点はサッシ周りの一般的なシーリングはそんなに持たないので15年ぐらい(推奨は10年)でシーリングの打ち換え、軒裏が浮いていたら張替などを検討すると良いでしょう。高耐久性シーリングの場合は耐久性30年以上と言われています。
お家全体のリフォームテクニック
住まいのコスト削減で総資産もUP
住まいに関するコスト削減効果は非常に大きいです。
ある程度、適切な管理をし資産価値を維持させつつ暮らすことができれば、平均所得の人でも30代~40代で総資産4,000万円~5,000万円も可能です。
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