ASD児のアナザーワールド
息子は一人でぴょんぴょん飛んだり、誰かと話をします。
周りには誰もいません。親に話しかけているわけでもありません。
就学前(3歳~5歳頃)
不思議な行動は、発語がなかった3歳ころからありました。
エレベーターやエスカレーターを見て30分以上飛び跳ねます。親が帰宅などを促さなければ1日中飛び続ける勢いです。
発語があっても、お空に話しかけています。
やった~!やったね~!!
??・・・・誰と話してるの~?
まあ、こんな感じで他人とのコミュニケーションはとれません。定型児からすれば謎な子です。なかなか仲良しの友達はできません。
小学校低学年(6歳~)
この独り言とぴょんぴょん飛び跳ねる行動は収まりません。成長とともに、行動・声は大きくなります。施設でも割と目立つ行動が増えてきます。
【ワーキングメモリー】が少ないという結果が出ている我が子です。ある程度言うことを聞いて理解はします。しかし一瞬で言われたことを忘れてしまいます。
へーすけ~お店の中では走らないよ!
うん!!
走るのをやめる。
・・・30秒後
うわ~~い!!
何かしゃべりながらダッシュ!
一瞬で忘れてるよ・・・
他人から見たら『なんだこいつ!?』と思うでしょう・・・しかし彼に悪意は全くありません。長い年月の中でそれは理解しています。
本人はとても楽しそうなので、まあ・・・いいかとも思っていました。
独り言を話す自分を【鏡】で見て何か変わったか?
しかしこういった行動も友達作りに影響があるのかもしれないと思い対策を考えます。
へんてこりんな行動してるけど、自覚してるのかな~?
姿見が無いから買ってみる?もしかしたら自分の姿見て何か変わるかもね。
当時、息子は洗面所で歯磨きをする時に鏡を見ながらしていました。洗面所の鏡の前で一人で遊ぶこともあったので、ある程度は効果があるだろうと・・・
鏡を購入した直後の反応
姿見を購入し、リビングに設置しました。
テレビの横の結構目立つ場所です。生活していれば必ず自分の姿が写ります。
へーすけ~大きな鏡だよ~
そっか!
・・・ほぼ完全にスルーされました。一瞬確認してその後ほぼ興味を持ちません。姿見の前をぴょんぴょん飛び跳ねながら独り言をしゃべっているだけでした。
う~ん。相変わらず手強い息子です。
鏡を置いてから半年以上が経過して・・・
置いた直後は完全にスルーでしたが、半年経過してから若干、鏡に写る自分を見るようになりました。リビングでぴょんぴょん飛んで疲れた合間やふとした時に姿見に近づいて、変顔をしています。鏡の中の自分と会話するようになりました。
変な行動を気づいてもらう予定だったけど・・・行動は変なままで何か楽しんでいる・・・
まぁ、鏡の中の自分を認知はしているみたいね~
やっぱり・・・という結果ですね。
そもそも初めておいてそれを認識するだけでも予想以上に時間がかかりました。姿見設置から1年以上が経過する現在ですが、行動抑制に関しては効果はゼロです。私たちも特別その行動を抑制するように誘導をしていないからかもしれません。基本的に彼なりに自然な行動なようなので無理に抑制することがストレス増加につながる恐れがあると判断しました。
ただし、自分の行動認知は出来るようになっていると思います。鏡に変顔をして笑っているので自分が変な顔で面白いという認識が生まれています。少しずづですが自分の行動の認識時間を確保していくことは大切かもしれません。
焦らずゆっくりと自分の行動を把握して若干なりとも改善につながればラッキーかな、という程度で考えています。
体形を確認できるから置いた意味はあるか・・・
姿見鏡 全身鏡 全身ミラー スタンドミラー ウォールミラー 飛散防止 HD鏡面 50×160cm 花丸優品(約7,000円)
我が家は、ニトリさんの店舗で安い姿見を購入して、立てかけて使ってます。
自分の鏡映像認知について
論文引用
筆者は当初、自己鏡映像への偏好は、ASD 児の鏡映像反応に特異的に見られるだろうと予測していた。ところが、TD 児とASD児のデータの比較によって、その反応そのものが特異的なのではなく、マークテストの通過に至るまでの発達的な過程に TD児とは異なる発達特性があることが示唆された。筆者がこだわり続けてきた、自己鏡像への没頭や偏好は、自己鏡映像認知の成立に至るまでの、ある段階を超えていくのに、TD児よりも長い時間を必要とすることを示すものでもあったのだろう。そしてその背景には、姿勢・運動の問題や、身体保持感・行為主体感という感覚レベルの自己感の希薄さ、さらにはそうした能力と相まって発達していく相補的な関係の形成にも難しさがあるのではないかと考えられた。
TD児:定型児
引用:乳幼児期における自己鏡映像理解 加藤弘美 2017.3
なんとなく鏡に対して興味を持つのではないかな、と予測しますよね。
基本、初見のものは興味は抱きにくく、じわじわと馴染んでいくイメージです。
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