VOL.044 自閉症の子を驚かす

スポンサーリンク

当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。

聴覚過敏などに配慮が必要だったかな!?

イタズラ


へーすけも6歳ごろには、寒くなると布団から出るのが遅くなるようになりました。今までが早すぎなんだよね。遅くなるのは良いけど、学校に遅れるほど。『ちょうど良い』が難しい子です。彼は2階の寝室から出てこない。いつまでも1階に降りてこない。

よし!起こしてやろう。ぱぱ流で。

早く起きないと鬼が来るよ~!

そろり、そろり…

1階から2階に階段を使って行きます。

ワザとゆっくりと近づく音が聞こえるように。

ギシッ…ギシッ…

恐怖を煽ります。更に煽ります。徐々に早く。

ギシッ、ギシッ、ギシッ

最後は、鬼が近づく勢いで。

ドドドドドド!!

鬼が寝室の扉を勢いよく開ける

ドンッ!!

ギャ~~~!!!

へーすけ絶叫。ホラー映画ばりに叫びます。そこまで絶叫される予定ではなかったので、ぱぱもビックリ!彼の見開いた目と大口開けて絶叫する表情が焼き付きました。人って驚くと映画みたいに絶叫するんだ…。

しかし、どこかで聞いた叫び方だ。

遺伝

ママとそっくり。
ある日、ママとへーすけが先に2階の寝室へ。

パパが1階でテレビを見ていると

ギャ~~!!!

2階で誰かが殺されました。貞子に呪い殺された人の絶叫レベル。慌てて2階へ行くと、ママが必死の形相で『ゴキブリ!Gが出た!』この時の絶叫に、そっくり(笑)

自閉症の特性を考えるとやりすぎは禁物

原因の1つは聴覚過敏

そもそも聴覚過敏があるので、大きな音が苦手です。コミュニケーションの一環として遊びで行う分には大して問題にならないと感じますが、普通の子と同じ音の大きさで行うと恐怖と感じる可能性があります。彼は嫌だったこと怖かったことの記憶力は人より長続きしていると感じます。簡単に言うと直ぐにトラウマになってしまうのかもしれません。

聴覚過敏への対策

音の大きさ自体を少し小さくしたり配慮があったほうが良かったかなと思います。そのため遊びの時も、少し特別に【手加減】をしながら遊ぶと彼にとって丁度良いのかなと感じています。

  • 音の大きさは小さく
  • 小さな音でも十分びっくりする

対策の結果

声の大きさに気を付ければ、『もう1回やって!!』と驚かされることを要求してくるようになりました。私たちと彼の間にある【音のうるささ】の感覚のずれを調整できると楽しいことかも!?と認識するように変わりました。

ママがへーすけを驚かす時は何故か今も割と全力・・・

<br>

手加減とか言われても分かんないし~

大きな声、音は避ける方が無難

5.1 刺激に対する過敏性への支援

自閉症児は,対人関係を拒否したり,回避したりする傾向が強いように見える.これは,外界の新奇な刺激や特定の刺激に対する過敏傾向があるため,機械音や大人の強い音声言語指示などの聴覚刺激,視線や接近などの視覚刺激,身体接触などの触覚刺激が嫌悪刺激になりやすく,刺激によって引き起こされた情動反応が,様々な状況のもとで緊張,不安,興奮状態を増強し,制御・調整不可能な状態になっていくためである.また,覚醒水準が不安定な場合が多く,外的な刺激がない場合でも,慢性緊張や慢性的な興奮を生み出すことも多い.従って,対人回避傾向を「実体」ととらえず,「個人と環境との相互作用のあり方」の機能不全と考えて支援を進めて行く.

指導初期では,対人刺激が嫌悪刺激ではなく強化刺激になるよう,対人的相互作用を安定させる.はじめは,強い音声指示を出したり,大人のペースで課題を進めたりせずに,子どもの自発的な反応に対して,笑顔や柔らかい音声や接触刺激で返していく対応方法で対人関係の基盤をつくる.外界の社会的刺激へ働きかける行動が,ポジティブな環境の変化をもたらし,結果としてその行動の増加をもたらす状態を繰り返し経験する(随伴性の検出:Bower,1989)ことで,安定した社会的相互作用ができる.自閉症児では,そのような社会的行動が,通常の環境との相互作用の中で「発達を待つ」だけでは成立しにくいため,随伴関係を学習する支援が系統的に必要になる.

引用:自閉症スペクトラム障害の発達と支援 山本 淳一・楠本 千枝子 2007

せっかくだから毎日楽しく平和に生活をしたいだけ、けれど私たちは様々な壁にぶつかります。驚かすというイタズラは普通なら仲の良い親子のコミュニケーションになりえますが、私たちの場合は一歩間違えればトラウマを作ってしまうことにもつながります。嫌な記憶を植え付けて、余計な緊張状態を作ってしまっているのかもしれません。しかし、それでもその中で【彼の丁度良い】を見つけて、障害があっても親子それぞれ出来るだけ毎日笑顔で過ごしたいですね。最近の彼は驚かされるとやっぱりビックリしています。親も声の大きさを調節して小さな声にすると、彼は驚きはしますが笑顔で返してきます。わー!ってやって!!と驚く自分を楽しむこともあります。やっと【彼の丁度良い】を見つけた気がします。

コメント

  1. […] VOL.044 自閉症の子を驚かす聴覚過敏などに配慮が必要だったかな!?イタ… […]

タイトルとURLをコピーしました