【空き家を運用してみる】0円で直してくれるってほんと?(節約術)VOL.074

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実家の空き家を賃貸に出してみる

空き家をそのままにしておくのは勿体無いかもしれません。

その空き家を人に貸せば賃料が入ってきます。

貸せる空き家があれば賃貸で運用することを検討してみましょう。

空き家を運用するメリット

  • 家賃が入る
  • 修繕をして綺麗になる

空き家を運用するデメリット

  • 修繕費用がかかる
  • 借主が見つからないリスク
  • 建物が劣化・倒壊して利用者が死傷するリスク

0円で運用してくれるという方に任せても大丈夫?

最近とある相談を受けました。

空き家をタダで直して家賃を何割か私にも入れてくれるという人【Aさん】がいるんだけど・・・

話を聞いた時に、タダ とか 無料 ということで結構警戒しますね。

知人から話を聞くと、実家の空き家をリフォーム代は【Aさん】が受け持ってくれる。そのかわりに、家賃は二人で分け合いましょう。ということでした。それ自体は問題はないと思います。無料でリフォーム出来て実家から家賃が入ってくるなら言うことなし!果たして本当にそうでしょうか?

結構気になる注意点がありました。

  • 築40年以上の住宅でかなり古い
  • 白蟻でリフォームしている
  • 床はちょっと傾いていた

古い空き家って貸しちゃっても大丈夫?

答えから言うと、そのまま貸すのはかなり問題があります

大きな地震が起きた時に倒壊して、借りた人が死傷した場合にその責任は土地建物所有者にあります。

本来は耐震改修が必要なことが多いのですが、空き家の不動産投資や運用をする人の多くがそのリスクを無視しているのが現状です。出来るだけ工事費は安くするため表面上だけ綺麗にして賃貸で運用しています。なぜ構造躯体を直さないかというと答えは簡単で、ほとんどの場合改修費用が高額になり家賃で元が取れなくなるためです。彼らは基本的には投資した金額に対する利回りを重視しますので、それ以外はあまり重要視していないことが多いのです。

地震により倒壊してしまって過去には訴訟が起きて、高額の賠償事例があります。空き家のために破産をしないように注意が必要です。

賠償事例

阪神大震災の判例で、3階建ての賃貸マンション(1964年築)の1階が潰れて、居住者の家族が死亡してしてしまった。建物は建築当時の構造基準を満たしておらず、マンションオーナーに1憶円以上の賠償命令が出ています。

震度5程度の地震で倒れない建物にする

1981年6月1日以降の建物が一定の目安になります。

建築基準法が改正されて、1981年6月1日以降の適法に建てられたものは一定の耐震強度を保持していると考えられます。古い建物は耐震改修をするのも1つの手です。

当時の施工は結構いい加減なので、1981年以降だけど実は手抜き工事ってこともあります。

けっこうボロボロの家だったけど直せるの?

お金を掛ければ綺麗な家に直すことが可能です。

しかし、空き家運用をする投資家・投資会社の多くが利回りを重視しますので、表面上のみ直します。構造などへのリフォームをしなかったり白蟻に対する調査がいいけかげんで後々大きな問題となることもあります。

しっかりとした投資・運用会社であれば建物調査を入念に行い、リスクの高い物件は運用しません。

こんな投資家さんは断った方が良いかもしれません

  • 雨漏りがあるのに直さない
  • 床・柱が傾いているのに、表面だけ直してごまかす
  • 1980年6月1日より前の建物も耐震改修しない

家の前の擁壁も傾いてひび入っているけど?

擁壁、塀、がけに関しては、建物と同じかそれ以上に安全管理が必要です。

損害事例①

2020年神奈川県逗子市のがけ崩れ 死者1名
請求額1憶円2,000万円程度になります。更に壊れた擁壁の復旧費用も数千万円。

出典:国土交通省
損害事例②

2021年静岡県熱海市のがけ崩れ 死者25名以上
所有者刑事告訴
請求額2021.10現在不明だが数十億単位と想定できます。

出典:国土交通省
損害事例③

2016年熊本県益城町 死者1名 重症1名 熊本地震でコンクリートブロック塀倒壊
請求額6,800万円

賠償事例がたくさんあります。

保険があるんじゃないの?

基本的にボロボロで倒れそうな家に保険を掛けてくれる保険会社はいません。保険会社が儲かりませんよね。

候補となる保険は、地震保険、火災保険、施設賠償責任保険、既存瑕疵担保保険

地震保険【建物】が対象【人】は保険対象外
火災保険老朽化は対象外
施設賠償責任保険老朽化、雨漏り、自然災害は対象外
既存瑕疵担保保険古い建物は基本は加入できない

投資家さんはここは基本的に無視していますが、最低限、借りた人が死傷しない程度の建物にしておくことは必須です。

0円で直す人には注意が必要です

先に紹介した危険な点を直したり指摘する方であれば、所有者もある程度は安心できます。

しかし、そこまでする業者はほんの一握りです。しっかりやればやるほど利益が出ないのです。さらに木造の壁量計算もろくに出来ない素人のような方がかなり多く、貸した建物が倒壊、損傷して裁判で訴えられた時に手のひらを返して、その責任は所有者であるあなたにあり、私は運用しているだけに過ぎない。などと責任は無いと主張するかもしれません

タダより高いものはありません

人に貸す場合は、工務店に新耐震基準に適合するリフォームの見積りをとり、不動産仲介会社と相談して自ら運用するほうが安全で利益も高いと思います。

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